■事例サマリー
企業 | 株式会社山星屋(丸紅グループの菓子専門商社) |
|---|---|
テーマ | 営業を支援するAIエージェントの有効性を検証し、人とAIが協働する「営業1+1」体制の実現性を探る。 |
ソリューション | DATAFLUCT「Airlake BI Agent」 |
取り組み | 膨大な社内データを用いた情報検索やデータ分析、資料作成などAIによるサポート機能の実証実験(PoC)を実施。 |
成果 | 「直感的に使いやすい」と高評価。自然言語検索で資料内容を瞬時に把握、欲しい情報をピンポイントで抽出。 |
お得意先様との対話という、営業本来の価値ある時間をこれまで以上に最大化していく。丸紅グループの菓子専門商社である株式会社山星屋様は、将来的な「営業担当者一人ひとりに専属のAIエージェントが伴走する」体制(営業1+1)の実現を見据え、AIエージェントを営業支援に導入する先進的な実証実験(PoC)をスタートさせました。
AIとの高度な協働によって営業環境を進化させ、人間ならではの「付加価値の創造」に注力できるワークスタイルを目指す同社。本記事では、DX戦略部の新名様と、昨年入社し同部に配属となった佐藤様に、パートナーとしてDATAFLUCTを選定した背景や、組織の可能性を広げる現在進行形の挑戦について詳しく伺いました。
膨大なデータから流行を捉える。山星屋ならではの提案力をAIで強化
新名様:
お菓子の卸売業では扱うアイテム数が非常に多く、営業担当者は日々膨大な量の商品情報・販売データ、資料などを活用しています。それらの情報から流行を捉え、スピーディに提案することこそが、私たちの大きな武器です。この強みをさらに研ぎ澄ますため、今回のAIエージェント開発プロジェクトが始動しました。
AIエージェントの力で情報検索や集計などの周辺業務を軽減し、営業の生産性を高めることで、お得意先様と向き合う時間をしっかり確保したいと考えています。そうすることで「山星屋さんに相談してよかった」と喜んでいただける提案をし続けることが、今回のプロジェクトの目的です。

―AIエージェントが伴走する「営業1+1体制」構想の具体的なイメージをお聞かせください
新名様:
単なる自動化にとどまらず、組織全体のナレッジを形式知化して提案品質をさらに高めていきたいと考えています。膨大な商品データベースからの検索や提案資料のドラフト作成、市場情報の要約、複雑な販売データの分析といった「周辺業務」をAIエージェントがスマートにサポート。これにより営業の生産性をより高め、お得意先様と向き合う時間を、これまで以上に確保できる環境を目指しています。
また、「知の継承」という側面も重視しています。ベテラン社員が長年培ってきたノウハウを個人にとどめず、会社全体で共有・活用できる仕組みを作ることで、経験年数に関わらず多様な知識を掛け合わせた提案が可能になります。

佐藤様:
ベテランの皆さんが培ってきた貴重な財産ともいえるノウハウを、いつでもどこでも参照できるよう可視化することは、我々若手や新入社員にとって心強く、早期戦力化の大きな助けになると期待しています。
また、AIをファーストオピニオンとして活用することで、疑問点の言語化や先輩への伝え方の整理、確認すべきポイントの先回りした把握などに役立てています。まるでもう一人の先輩が伴走してくれているようで、非常に頼もしいパートナーです。
今後は、この知識を一方通行で終わらせたくはありません。若手ならではの新しい視点もベテランへ還元されるような、世代を超えて互いに高めあえる関係性を築いていきたいと考えています。
―多数のツールがある中で、今回の実証実験のパートナーとしてDATAFLUCTおよび「Airlake」を選んだ決め手は何でしたか?
新名様:
当社の営業活動に活用するデータは非常に多岐にわたり、複雑な非構造化データを扱うという前提がありました。それを適切に整理して活用できる技術力の高さが、選定における最大の決め手です。「Airlake」が持つ、様々なデータを日常の話し言葉で自由に引き出せる自然言語対応力にも大きな魅力を感じました。
「根拠を示すAI」が生む、現場の信頼
新名様:
DATAFLUCT様の強みである高度なRAG技術をはじめ、ハルシネーションの発生率を抑える仕掛けや、回答の根拠を明示する仕組みは、当社が求める高い信頼性の基準に合致するものでした。このように回答の正確性が担保されているからこそ、営業現場も安心して日常的に使い続けることができ、結果として自律的な活用が広がっていくと思います。

―実証実験を経て、どのような手応えや課題が見えてきましたか?

佐藤様:
営業現場からは「直感的に使いやすい」という評価や、提案準備の効率化に対する期待の声が多数寄せられています。現状は利用する際、保存されている資料のタイトルしか表示されず、資料の内容を一目で把握することができませんでした。情報をピンポイントで抽出することが難しく、目的の内容にたどり着くまでに多くの手間がかかっていました。
「Airlake」で構築したAIエージェントは、自然言語による検索で資料の内容を瞬時に把握できる点がとくに好評です。「欲しい情報をピンポイントで引き出せる」という機能はプロジェクトメンバーで特にこだわった部分であり、利用者からも高い評価を得たことがチームの大きなやりがいとなっています。

DATAFLUCT開発担当・鈴木:
高い精度を実現できた決定的な要因の一つは、山星屋様の検証と評価の精度の高さです。想定ユースケースを丁寧に整理し、一つひとつ検証しながら正確性を確認していただきました。
AI開発において最終的に価値を決めるのは「こうあるべき」という評価軸と、それを正確に検証してブラッシュアップし続けるプロセスです。AIが当たり前になった時代では、そこが最も重要な競争力となります。「このユースケースではこのような回答が返るべきであり、そうでなければ許容できない」という明確な意志を持って検証していただいたことが、品質向上の原動力でした。
本格展開に向けた次なる進化
佐藤様:
数百名規模へのさらなる展開を見据え、誰でも迷わず使いこなせるプロンプトテンプレートの整備などを進めていきます。また、社内資料のフォーマットをAIが検索しやすい構造へと整えることで、より多くの有益な情報をスピーディに共有・展開できる環境づくりも必要だと感じています。
DATAFLUCT開発担当・齋藤:
インプットデータの品質をより高めていくことは、AIの性能を最大限に引き出すための前提条件となります。データクレンジングの運用のルールと方針を早い段階で明確に定めることで、組織全体のデータマネジメント体制自体が一段上のレベルへと引き上がっていきます。
―人とAIエージェントが協働する「営業1+1体制」構想の展望をお聞かせください
新名様:
山星屋は「菓子プロフェッショナル人材」を掲げており、データに基づいた根拠ある提案と、人間ならではの感覚・感性を活かした提案の両軸を備えた活動が求められます。データだけでは測れないお菓子の魅力を、いかにしてお伝えするか。自分自身の味覚や感性を信じ、自信を持って商品をおすすめできることが菓子卸売業における営業の本質です。AIエージェントには、こうした「データに基づいた根拠ある提案」と、「人間ならではの感覚・感性を活かした価値ある提案」の両立を支えてくれる、頼もしい相棒であってほしいと思います。
佐藤様:
AIエージェントによる業務代替が進むことで、「このエリアのお客様がどんなお菓子に喜んでくださるか」「バイヤー様が本当に実現したい売り場はどのようなものか」といった、お得意先様を通じて、その先にいるお客様の感情や想いに深く寄り添う提案活動に営業が集中できる環境が整うと考えています。売り場改善や商品開発の提案といった、人間味ある高付加価値な提案の質をさらに高めていけることに、大きな可能性を感じています。
―最後に、「現場目線のDX」を目指す企業様へメッセージをお願いします。
新名様:
私たちがDX戦略において最も大切にしていることは、「人間が中心であること」です。どれほど優れたツールでも、実際に使う人が「これがあってよかった」と実感できるものでなければ意味がありません。現場の皆さんが生き生きと輝ける環境を整えることこそが、私たちが目指すDXの姿ではないかと考えています。
DATAFLUCTの「Airlake」について
人とAIが理想的なシナジーを生み出す「営業支援AIエージェント」の実装に向けて、先進的な取り組みを歩み続ける山星屋様。 DATAFLUCTの「Airlake」は、お客様のデータ状況やビジネス戦略に合わせ、構想・PoCから本番実装にいたるまで、フルスタックのテクノロジーパートナーとして伴走支援します。
「データ駆動型経営へシフトしたい」「自社の営業組織の可能性をAIエージェントで最大化したい」とお考えの企業様は、まずは実際の画面や他社事例をご覧いただけるオンライン相談会へお気軽にお申し込みください。
